ほのか | 留学を夢見る大学生の日記

4か国に留学した大学生が、経験や現在や夢や日々のことを残していく日記

眠れない夜と頑張った夜だけに見られる、朝焼けの優しい色の空

一時期不眠症状に悩まされていた時期があった。夜明かりを消して寝るのが怖くて、廊下の明かりをつけていた。それでも頭の中を忙しくいろいろな思いが駆け巡り、どうしても寝させてくれなかった。言葉が脳の隙間を走り回り、その足音でどうしても眠れない。思いが複雑に絡まって、そのコードにひっかかって言葉が転ぶ。派手な音と大きな振動とともに、言葉が倒れる。そうするともう眠れなくなってしまう。布団に入ると、言葉は活発に走り回るスイッチでもあるのだろうか。

幸い、最近は朝ちゃんと起きられて夜きちんと眠れるようになった。何故かは知らない。私はなにもしていないのに、自然と言葉が走り回る足音は小さくなっていった。その代わり、肩に重荷が乗り、いつでも肩が痛くなってしまった。視界がぼやけ、世界と私との距離がまた遠くなる。世界は白さを増し、どうしても越えられない壁を周囲との間に感じてしまう。同級生がうるさく騒ぐ声が、だんだんと肩に乗っていき、肩が重くなってしまう。

不眠症状に悩まされることがなくなったとき、ひとつだけこころから失われたものがあることに気づく。それはあの朝焼けの色だ。夕焼けとはまた違う。街が驚くほど静かで、鼓動さえも隣の家に届いてしまいそうなそんな静けさを、朝焼けは持っている。旅先にいたとき、低気圧の影響で一睡もできなかった。あの金沢市のホテルから見た曇り空の灰色の朝焼けほど、綺麗なものはなかった。ああ、私には新しい一日が神様から与えられたのだ、そう認識すると、私は果てしない幸せと、すこしの肩の重荷を感じるのだった。